障がいをお持ちの方が就職する前に確認してほしいこと 〜自分取説の作成〜
皆さん、こんにちは!
就労移行支援事業所りんくでは、障がいをお持ちの方の「働く」をサポートしています。
そんな中で、就活をはじめる前に「自己理解」しましょう、とメンバーの皆さんにお伝えしています。
今、就活をされている皆様、自分の得意・不得意、特徴、配慮してほしいこと、苦手な環境、などなど、、、しっかりと伝えることができますか?
会社側は、新入職員の方が、何ができて何が苦手なのかわかりません。
そんななかでも仕事をお願いしたいと思っています。
そこで、自分のことをしっかり伝えていないと、会社の自分の認識のズレが生じて、トラブルのもとになります。
例えば、求人票に「10時間/月 残業あり」と書いてあり、まあ、それくらいならいいかなと思っていたとします。しかし、仕事が始まって、みると連日2時間以上の残業がありました。
その時に、できれば体調のこともあるので残業をしたくないと思い、上司に相談すると「繁忙期は残業があるんだよね」と言われてしまいました。
こんな時に、皆さんならどうしますか?
我慢して残業を引き受ける人もいると思いますし、逆に、無理を言って帰らせてもらう人もいるかもしれません。
我慢して引き受けるとなると体調を崩す危険性もありますし、お願いして帰らせてもらうことにすると、会社としては困ってしまうかもしれませんね。
そうならないためにも、自分のことをしっかり伝えてから入社して、会社の認識と自分の認識のズレがないようにしておくことが重要と言えます。
このケースで言うと、最初からきちんと、「残業ができない」ことを伝えておけば、会社としても対応を検討することができていたと思います。
まずは、自分を知る
りんくでは、自己理解を深めるために「自己理解プログラム」を提供しています。さらに、メンバーの皆さんには、「自分取説」をつくってもらっています。
「自分取説」は、その名前の通り、自分の取り扱い説明書を意味します。
例えば、自分の得意なこと、苦手なこと、不調のサインや、お願いしたい配慮、などを記載します。そして、A4用紙一枚程度にまとめるようにします。
就活中の皆さんにもおすすめしたいのですが、ぜひ、入社前に、「自分取説」を作成してみてください。
自分取説作成のメリット①「自分への理解が深まる」
自分取説をつくるメリットとしては、まず自己理解が深まります。
就活をするときに、「どんな仕事が自分合うかな」とか「自分のアピールポイントは何かな」と考えたり、面接時に性格についてや得意なこと苦手なことをいろいろと聞かれたりしますが、意外に、自分について考える時間をしっかりつくっている人は少ないです。
自分取説を作成する時間をしっかりとつくることで、自分について振り返ることができます。
これまでのことを思い返して、「こんな状況が嫌だったな」とか、「こんなことが好きだった」と、考えることで自分をより理解することができます。
それが、職業選択や、面接でも役に立ちます。
自分取説作成のメリット②「会社から理解を得やすい」
障がい者雇用で働く際に、会社側は「どんな配慮をしたらよいか」「どのように接したらよいか」を知りたいものです。
面接でも聞かれるケースが多いと思います。
しかし、その際に、「〇〇な作業が苦手なので、□□な配慮をいただけると助かります」という風に、話をできないときちんと理解してもらうことは難しいです。
障がいがあると言っても、症状や病状は人それぞれで、千差万別です。
そのため、自分の口でしっかり特徴や苦手なことが言えて、ほしい配慮についても説明できる人であれば、安心して採用することができます。
そこで、面接前にきちんと自分取説をつくっておけば、面接時にそれを見せながら話しをすることで理解してもらいやすくなります。
さらに、入社してからも、会社に自分取説を提出しておくことで、忘れずに配慮をもらうことができますし、異動などで上司や同僚が変わったときも伝達しやすくなります。
自分のことを振り返って、自分取説を作成することは、時間も労力もかかることですが、就活をする上で、あるいは、働く上で非常に役にたちます。
就活をされている皆さんにぜひ取り組んでいただきたいことの一つです。
りんくでは、今回紹介した自分取説などの「障がいを持ちながら働く」ためのノウハウを紹介しています。
少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。